祖父、幸隆が武田信玄の家臣として活躍
天文16(1547)年、真田信繁の父、昌幸は、幸隆の三男として生まれます。幸隆は武田信玄の家臣として仕えていました。
そのころ、信玄は戸石城を攻撃していました。戸石城は川中島の糸口であり、どうしても手に入れたい城でした。
しかし、戸石城の村上義清はよく守り、信玄の攻撃をいずれも跳ね返し、攻略の隙を与えません。
村上兵500人に対し、武田軍は7000人でしたが、それでも落とせません。この大苦戦は戸石くずれと呼ばれるようになりました。
そこで信玄は幸隆に「戸石城を落としたら千貫の地を与える」と言います。幸隆は天文20(1551)年、戸石城の城兵に賄賂を送り、内応して、たった1日で調略してしまいました。
天文22(1553)年、川中島の戦いが始まります。弘治2(1556)年、幸隆は雨飾城(あまかざりじょう)を落とし、そのまま城主となります。
真田家の出自
真田家はその知名度の高さと裏腹に、出自ははっきりとせず、いくつかの説があります。
- 信濃の豪族・海野氏から出た海野幸綱が真田郷に移り住み真田を名乗り、真田幸隆となった説。
- 応永7(1400)年の信濃に実在した実田(さなだ)と名乗る家が真田に転じたとする説。
真田家は幸隆が武田信玄に仕える前の記録がほとんどないため、このように出自もはっきりしないのです。
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